支部長ご挨拶

支部長  安居 輝人

 富山薬窓会近畿支部の皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。また平素よりご指導ご鞭撻を賜り心より御礼申し上げます。富山薬窓会近畿支部長を拝命してから早くも2年となましたが、皆様のご支援をいただき、ここまで困難なく 務めさせていただきましたことを、重ねて感謝いたします。

 昨年度富山薬窓会近畿支部の目標として、1.会員同士の連携強化、2.富山県と母学への回帰を掲げさせていただきました。その活動成果について、皆様から及第点をいただけるかどうか測りかねますが、特筆すべき点を回顧させていただきます。

平成30年2月26日に開催された富山薬窓会後援の富山大学薬学部卒業謝恩会に出席し、新卒会員候補との交流を図ってまいりました。会半ばでスピーチする機会をいただき、「この卒業を機にあなた方が得たものは、創立125年の伝統を有した富山大学薬学部のブランドイメージとともに、6000人を擁する同窓会のネットワークです。これから社会に出て、社会的地位を確立していくための人脈が必要となるでしょう。そのために同窓会、富山薬窓会を大いに活用してください。」と述べさせていただきました。今年度は106回卒業生が、新卒会員として入会していただけるものと大いに期待しております。また皆様におかれましては、年代の垣根を超えた大いなるご助力を、若き後輩のために注いでいただければと存じます。

 第二に県と母学への回帰ですが、富山県創薬事業について、ご報告させていただきます。平成30年10月に 富山県が採択された内閣府交付金の交付対象事業「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムが発足し、富山薬窓会稲田裕彦会長はじめ、酒井秀紀富山大学薬学部長、そして富山県内製薬企業に勤務する富山薬窓会会員が、創薬を通じた大学振興、若手人材育成に尽力されております。その一角に大阪から安居が参画を許され、富山大学薬学部の発展に寄与させていただいております。医薬品売上高日本一を誇っていた富山県は、残念ながら、2017年度において静岡県に抜かれ第2位に陥落しました。しかしながら、本事業は、富山県内ならびに近畿支部の富山薬窓会会員が中心となって、これに貢献することにより、将来を期待される継続的な中核地場産業になると信じております。

 さらに、薬学部特別講義として、「薬学経済」が母学で開講されて13年になります。富山薬窓会近畿支部からは、飯田晉一郎さん(48回卒)を中心として、堀田侑佑さん(101回卒)、小林正史さん(60回卒)、山崎寿明さん(86 回卒)、安居が講師を担当しております。産官学、それぞれ 分野にて活躍される近畿支部会員の豊富な知識を、後輩 たちに伝えるといった人材育成に貢献していると自負しております。今後も後輩たちへの継続的な支援が、ひいては 近畿支部のさらなる発展につながると感じます。

 最後に、富山大学薬学部について、新たな取組、ならびに県として顕在化した問題点について、皆様にご紹介したいと思います。母学の新規性としては、酒井薬学部長の発案で、教育プログラムである「和漢薬コース」が、今年度秋から開講されます。特色ある大学法人が求められる中で、「やはり富山大学薬学部でなくては!」といった唯一無二の教育です。

 一方、富山県ならびに母学をとりまく問題点としては、 県、および県内企業における薬系人材の不足です。ある 富山県官公庁で勤務される富山薬窓会先輩方から、お話を伺う機会がありましたが、薬系職員の慢性的不足の事態に見舞われているようです。これら富山の諸問題に対しても、土地を離れたら関係ないと無視することなく、何らか近畿支部としても協力をしたいと考える次第であります。

 今後とも富山県、大学への支援、ならびに富山薬窓会近畿支部の発展に対して、忌憚なきご指導を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。(76回卒)

令和元年6月